松例祭引き綱
日本全国、6月にしては珍しい猛暑が続いていますが、皆様、元気にお過ごしでしょうか。
ここ羽黒山の門前町手向(とうげ)でも30度に迫る(超える?)暑さが続いています。
多聞館の外壁等の改修工事に携わっていただいている職人さんたちも、扇風機の着いたジャケットを始め、それぞれに暑さ対策を施しながら、適宜休息や給水をしながら作業して頂いています。
そんな中、業者さんに「あの綱、どうします聞かれたのが、軒下にかけてある「松例祭引き綱」。
大晦日に羽黒山山頂で行われる「松例祭」(詳しくは→こちら)に参加した若者が一度だけ頂くことができるもので、頂いた綱を写真のような形にまとめて軒下に吊り下げ、その家の魔除け・守り神にするものです。
当館の正面2階の軒下に下げてあった引き綱は、私の祖父である土岐多聞が若かりし頃に頂いたものですが、祖父が何歳のときに頂いたのか、記録はありません。ただ、祖父が今生きていれば122歳であることから、100年前後の歴史があると考えられます。
そんな歴史を考えれば、工事のために一旦降ろしても、完了後にはまた元の場所に戻すのが良さそうなのですが、実はこれまでも何度か綱を縛っている縄が切れたり窓掃除の際に藁くずが飛び散ったりと、結構やっかいな存在になっていました。そこで、この際、思い切って処分することにして、業者さんに依頼しました。
100年物なので祭りのときに比べればだいぶ軽くなっているでしょうが、それでもかなりの重量があるようで、業者さんは縄を切って、綱引きの綱のように伸ばして降ろしていました。
100年にわたって当館を護ってくれた引き綱に感謝しつつ、処分も業者さんにお願いしました。
当館の玄関には私が2001年に頂いた綱が飾ってあります。
この引き綱が、これからも多聞館を護ってくれることでしょう。
コメント