仙台管区気象台は8月1日(木)、山形県を含む東北南部が梅雨明けしたとみられると発表しました。
平年より8日、去年よりは10日も遅いということです。
梅雨の終わりに東北地方を襲った集中豪雨では、ここ庄内地方にも甚大な被害をもたらし、今なお復興に至らず不自由な暮らしを余儀なくされている人も数多くいらっしゃいます。心よりお見舞い申し上げます。
当館では、すぐ脇を流れる堰が溢れ、昼夜二度、床下浸水となりましたが、幸いその程度で済みました。
国内各地はもちろん、海外からも心配してくださった方々から多数ご連絡を頂き、本当にありがたかったです。
この豪雨に前後して、宿泊予約のキャンセルが多数入りその対応に追われる一方、梅雨明けを見越した予約もにわかに増え、八月は客室のほぼ8割が予約で塞がりました。
大正時代の古い建物、襖や障子での仕切り、鍵は無し、エアコンも無し。
そんなタイムスリップしたような当館を、多くのお客が出羽三山への宿として選んでくださっていることに心から感謝申し上げます。お客様にとって満足のいくご宿泊となるよう精進して参ります。
豪雨の影響でダメージを受けた月山~湯殿山の一部登山道も早急に復旧したとのことです。
夏空の下、月山・羽黒山・湯殿山、出羽三山にぜひお越しください。
4月4日(水)、多聞館では雪囲いを解く作業を行いました。
今回も、秋に雪囲い作業をしてくれた月山佛生池小屋の工藤さんと一緒です。
雪が極端に少なかったこの冬なら、雪囲いが無くてもよかったかもしれませんが、それを予想して雪囲いをしないというわけにもいきません。雪囲いの設置・撤去は、雪国に住むものにとって当たり前の営みであり、次の季節を迎えるための儀式のようなものです。
囲いの紐を解き、細竹をまとめ、長木を積み上げ・・・秋にまた雪囲いをするときに分かりやすいように目印をつけながら淡々と作業を行い、夕方までにすべての雪囲いを解き、通車場の看板を取り付けて作業を終えました。
雪囲いを解くと、外回りの掃除やガラス戸・網戸の掃除、鉢植えなどの植物の管理など、この時期にすべき作業が目白押しです。
本格的な観光シーズンを前に、何かと気の急く季節です。
今週、多聞館ではお客さまの受け入れをお断りして、水道工事を行っております。
主にお風呂に給水している水道管は敷設から40年以上経っており、破損の心配が大きく、鉄管から錆が出ることもあることから今回の工事となりました。
もともと既存の建物に苦労して風呂の増設を行ったようで、床下や壁の中を通っている配管は実に複雑怪奇。大昔の今は使っていない配管も残っていたりして、設備屋さんも苦労しているようです。
大工さんには、水道工事のために床や壁を剥がしていただいたついでに、傷んでいた二階トイレの天井の張り替えもお願いしました。
多聞館は半分が築百年、もう半分が築六十年の建物ですので、日常的に大小の修繕を重ねていないとすぐに古ぼけてしまいます。
ご利用頂くお客様には、そのような営みも含めて宿の歴史を味わって頂ければ幸いです。
(先途松聖:神林聡賢氏、位上松聖:小関智勇氏)
小春日和となった11月15日、羽黒山の門前町手向(とうげ)地域を皮切りに「松の勧進」が始まりました。
この行事は、大晦日に羽黒山山頂で行われる松例祭の費用をまかなうために、山伏たちが庄内一円を勧進して回るものです。
初日に当たる11月15日には、「冬の峰」と呼ばれる百日の行の最中にあり、松例祭の中心となる二人の「松聖」が、小聖と呼ばれる山伏を従えて手向地区内の末社を祈願して回ります。
また、同時に山伏たちが浄財を勧進して手向の家々を回りました。
当館にも位上・先途の両松聖の命を受けた二人の山伏が訪れ、景気よく法螺を鳴らしてくださいました。
昨年まではコロナ禍の影響で、松例祭は規模を大幅に縮小して行われましたが、今年はだいぶ元の形に戻すと聞いています。祭りの担い手となる若者の減少などもあり、難しいことも多いでしょうが、地域の関係者の力を合わせて松例祭を継続していって欲しいと願っています。
そのためにも地域の皆様には、松の勧進へのご協力をよろしくお願い申し上げます。
今年の春はかけ足です。
雪おろしをせずに済んだため、家の周りの雪解けが早く、3月末には雪囲いを外しました。
もう積雪はもちろん、凍結の心配もなさそうだったので、冬用タイヤの交換も済ませました。
そして今日はお雛様の片付け、「雛納め」を行いました。
今年はコロナ禍の収束に伴い、団体様でのご利用も増えたおかげでたくさんのお客様に当館のお雛様をご覧いただけました。雛人形をねぎらうように、一体一体丁寧にほこりを払いながら納めていきました。
それにしても、雛納めの前に雪囲い外しやタイヤ交換を済ませているなんて、記憶にありません。
例年なら4月中旬の作業です。
鶴岡公園の桜も例年よりも11日も早い開花でした。今週末あたり満開となりそうです。
羽黒山参道の雪ももうだいぶ解けたようです(とはいえ、まだ長靴をはいた方がいいそうです by羽黒町観光協会)。
例年なら、雪解けとともに家の周りの雪を突っついたり、玄関周りの雪囲いだけ外したり、花鉢に水をやり始めたり・・・何度か寒の戻りを繰り返しながらゆっくりと春を迎えるのですが、今年は一気に春の盛りを迎えました。その分、春を迎えた喜び(冬からの開放感)は小さかった様に感じます。
とはいえ、今は春たけなわ。
桜も賑やかですが、3年ぶりに人と会う機会が増え、コロナ禍で失われた時間を取り戻しているようにさえ感じます。
このような日常が戻ってきたことに感謝しつつ、この春を満喫したいと思います。
多聞館では、昨年の秋に、宿泊予約システムをCheck Inn株式会社のものに変更しました。
それを機会に、【インターネット予約】のボタンも目立つ位置に変更しております。
お客様はこのボタンから予約システムに入り、ご利用日時、部屋タイプ、プランを選択して(初回のみ)宿泊者情報を入力すれば予約が完結するシンプルさです。
従来のシステムを提供していた会社からサービス終了の予告通知が届き、その対応として新しいサービスを検討する中で、Check Innさんのシステム導入に至りました。
こちらのシステムは、宿泊予約はもちろん、主要なOTA(楽天やじゃらんなど)と在庫を共有して管理するサイトコントローラー機能も兼ね備えていてたいへん便利です。
また、従来のシステムではできなかった予約サイトの多言語化やオンライン上での事前カード決済にも標準対応しているのも導入の大きな動機となりました。
導入を検討するために資料を請求してからHP上に公開するまでも担当者によるオンラインでのヒアリングや打ち合わせなどを重ねて、一月ほどで公開に至りました(画像の充実など、当方でやるべき事は残っていますが)。
先日までに、従来のシステムから入っていたご予約は完了し、新しいシステムを通じたご予約が入ってきております。
1月15日(日)、Check Inn株式会社さんの田中CEOと当館担当の田口さんのお二人がわざわざ当館を訪ねてくださいました。
挨拶だけでなく、当館の様子をご覧頂くとともに、業務の流れや予約管理上の課題などを熱心にヒアリングしていただきました。
Check Innさんは、おととしの10月に創業したばかりの大変若い会社ですが、それだけに創業の理念の実現に向かって本気で取り組む情熱に溢れています。その証拠に、当館でシステム導入した後にも、ユーザーの立場に立った改善が幾つも重ねられ、その都度丁寧にフォローもしていただいております。
お話の後にはせっかくなのでお二人を国宝の羽黒山五重塔にご案内しました。足下はよくなかったのですが、お二人とも感動されていたようです。
偶然にして恵まれたこの出会いに感謝するとともに、Check Inn株式会社さんのますますのご発展を祈念申し上げます。
最近のコメント