出羽三山 Feed

2010年1月 1日 (金)

羽黒山松例祭

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明けましておめでとうございます。

新年が皆様にとって佳き年となりますように祈念申し上げます。

さて、大晦日から元旦にかけて北日本の日本海側は爆弾低気圧の通過にともない、大荒れの天気になりました。

交通機関も大幅に乱れ、帰省や行楽の足にも大きく影響が出たことでしょう。

そんな『冬の嵐』のなか、羽黒山山頂では『松例祭』が行われました(『羽黒山松例祭』の概要については⇒こちら)。

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午前11時過ぎ、祭りの舞台のひとつとなる『補屋(しつらえや=しづらや)』に百日行(『冬の峰』)の最終日を迎えた位上・先途の両松聖を迎え、若者衆一同と共に祈願を行い、いよいよ祭りの始まりです。

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午後3時前には、庭上(合祭殿前の広場)で前日に作っておいた『大松明=ツツガムシ』の一部を解体し、綱を短く切った『切り綱』を用意しました。

そして松聖による祈願のあと、切り綱は庭上に集まった見物客にまかれます(『綱まき神事』)。

この切り綱を軒先などに飾っておくと災難消滅や家運向上のご利益があるとされているので、まかれる切り綱を手に入れようとする見物客の熱気もすごいものがあります。

最後には数本の切り綱を相撲で争う場面も見られました。

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また、7時頃からは4本の『引き綱』を大松明のどの位置につけるかを、若者頭が酒を酌み交わしながら決める『綱さばき』が行われました。

それぞれの若者頭の責任とプライドがぶつかり合う真剣勝負。赤々と燃え上がる焚き火の炎と、次々に『大椀(だいわん)』に注がれる酒が熱気に拍車をかけます。

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その後、大松明を立てて焼き払う場所に穴を掘る『砂はき行事』や、大目付が若者頭に祭りの定め事を言い渡す『御定目(ごじょうもく)』などを経て、いよいよ祭りのクライマックス『大松明引き』です。

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いったん解体されて死んだはずのツツガムシが夜になると息を吹き返します。

そのツツガムシ(=悪鬼・災厄の象徴)をもういちど大松明に作り直し(『まくり直し』)焼き払うことで、ツツガムシを完全に退治するのが『大松明引き』です。

合祭殿の中で進行している『験競べ(げんくらべ)』の中で吹かれる五番法螺を合図に、火のつけられた位上方・先途方の大松明がいっせいに引き出され、起こし立てられて燃やされます。

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大松明引きが終わり、若者衆の大半が綱を担いで山を降りた頃から、山頂ではもうひとつの行事である『国分け神事』『火の打替え神事』が静寂のなかで行われました。

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神事の結果を宮司に報告する『御披露』『昇神祭』、精進落しの『にしの寿司』を経て、満願成就した両松聖は、小聖、稜持(かどもち)、若者頭らとともに久方ぶりのご自宅へと戻られました。

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これで今年の松例祭は無事に終わりました。

あとは各町で頂いた引き綱を飾ったり、各種の祝い事や反省会などが続きます。

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羽黒山松例祭~大松明まるき

DSCN3839 今日は羽黒山山頂で、悪鬼(=ツツガムシ)を模した大松明(おおたいまつ)を作る『大松明まるき』が行われました。

早朝、山中の『斎館』に集合した上四町と下四町の若者衆は、まず松聖より挨拶を頂き、その後大松明の部材となる網・簾・綱を山頂まで担ぎ上げました。






そして夕方までかかって、担ぎ上げた部材を古くからの慣わし通りに用いて、巨大な大松明を作り上げました。

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作業の途中、明日には百日行の 満願を 迎える松聖のおふたりが拝所を巡っていらっしゃるお姿を見かけました。

真摯な祈りの姿は、理屈無く人の心を打ちます。







DSCN3859  大松明が出来上がると、松聖と小聖、それに松打が庭上に現れ、祈願を行いました。

そして祈願終了と同時にふたりの松打は大梵天まで駆けていき、御幣を吊るし上げる早さを競う(『松の礼』)を行いました。

その後、参加者一同はお神酒と昆布、丸飯を頂く『榊供養』を行いました。





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今日作った大松明(=ツツガムシ)は明日の午後には切りきざまれ、一部は切り綱として参詣者にまかれます(午後3時)。

夜に復活したツツガムシは、大松明に作り直されて焼き払われます。

この一連の作業・行事には悪魔退散・災難消除の願いがこめられています。

明日から元日にかけては、大荒れの天候になる予報が出ています。

松例祭・初詣に羽黒山に参詣の方はどうぞお気をつけてお越しください。

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2009年12月27日 (日)

松例祭~網漉き(あみすき)行事

DSCN3768 年の瀬も押し迫り、大晦日から元旦にかけて行われる『羽黒山松例祭』もすぐそこまで迫っています(『松例祭見学案内』は⇒こちら)。

今日は上町・下町の若者頭が羽黒山山中の斎館に集い、30日の『大松明(おおたいまつ)』まるき(=作り)に使用する『網」と『簾(す)』を作る『網漉き行事』が行われました。






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斎館には『冬の峰』と呼ばれる百日行に臨んでおられる 松聖のお二人が参籠されています。

朝一番に参加者一同は松聖に挨拶した後、松聖によるご祈祷を受けたのちに作業に入りました。

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 斎館の大広間の畳をはがした床の上に、神社の方たちが用意しておいてくださった木枠が設置されています。

それを使いながら、約4メートル四方の『網』を玉縄だけで編み上げていきます。

手は荒れるし、足腰は痛むし・・・一日がかりの重労働です。

DSCN3766 すぐ脇の畳の上では『簾』が作られています。

(なぜか『網』は『漉く』といい、『簾』は『踏む』といっています。)

30日に作る大松明(=ツツガムシ)の顔(頭)に網が、胴体に簾が使われます。



DSCN3775 夕方、ようやく編みあがった網は 威風堂々とした存在感が漂います。

小さく折りたたもうとしても、人が抱えきれる大きさには収まりません。

おそらく重さも15貫目(60キロ)は超えているでしょう。

30日には若者の代表が、この網を山頂まで担ぎ上げることになります。

大丈夫かなあ~?




DSCN3783  作業終了後には、松聖によるご祈祷を受け、その後は祝宴を行ってから山を下りました。

網漉き行事を終え、松例祭本番に向けた緊張感も高まってきました。








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2009年11月15日 (日)

羽黒山『松の勧進』はじまりました。

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羽黒山の門前町手向(とうげ)に法螺貝の音が響き渡り、『松の勧進』がはじまりました。

『松の勧進』は、大晦日に羽黒山の山頂で行われる『松例祭』をまかなう浄財を募るために、祭りの主役となるふたりの松聖(まつひじり)が、小聖(こひじり)とよばれる山伏たちを従えて庄内一円の家々を回るものです。

松聖のおふたりは大晦日までの百日間の修行(『冬の峰』)に入っていますが、この松の勧進も大切な修行のひとつとされています。

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各家では浄財として、あらかじめ用意しておいたお金やお米を寄進し、代わりにお札を頂きます。

お札は二枚。おふたりの松聖の位に応じて『位上』・『先途』と記されています。

百日の行を通じてひたすらに衆生の家内安全や災難消滅を祈念されている松聖の願いが籠められています。

この松の勧進は、今日(11月15日)の手向をかわきりに、年末まで庄内一円で行われます。

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2009年10月25日 (日)

紅葉の羽黒山散策

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すっきりとした秋晴れが広がった今日、お客様をご案内して羽黒山の参道を散策してきました。

ここ数日、気温がぐっと下がったおかげで、紅葉もだいぶ進んだようです。

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羽黒山参道には常緑の杉が多いのですが、それでもやはり秋の雰囲気が漂っていました。

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途中の二の坂茶屋さんからは稲刈りが終わった藁色の田んぼが広がる庄内平野が一望できました。

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境内のあちらこちらでは早くも雪囲いの作業が始まっていました。

地元では、この冬は初雪が早いとか、大雪になるという予想がささやかれているので、雪囲いも急いでいるのかもしれません。

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三神合祭殿前の鏡池周辺が紅葉の見頃となっていて、多くのお客さんが足を止めて見入っていました。

羽黒山の短い秋は、今がたけなわです。

ぜひ、お出かけください。

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