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2010年2月

2010年2月27日 (土)

多聞館のお雛様(その1)

DSCN4321 今年もお雛様の季節が到来しました。

庄内各地では雛人形の公開展示やひな祭りにまつわるイベントなどが予定されています。

多聞館でも、本日2月27日《土》から4月 4日《日》までの期間、所蔵の雛人形を展示しております。

ご宿泊プランは⇒こちら

 

  

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多聞館の所蔵の雛人形は3種類あります。

ひとつは明治時代に作られた『押し絵雛』。

型紙生地を貼り付けて作った人形を台に挿し立たものです。

多聞館の女将の祖母とその妹が酒田で作ったもので、3年ほど前に女将の実家から受け継ぎました。

お雛様以外にも、三番叟や歌舞伎のキャラクター、舞妓姿の人形などもあり賑やかです。

DSCN4330 ふたつ目は大正時代の『古今雛』。

私の祖父が求めたものです。

残念ながら、多くが毀損してしまい、写真の2体と右大臣・左大臣しか残っていません。

 

 

DSCN4332 3つ目は昭和の『現代雛』。

私の父が姉の誕生を機に求めたものです。

 

 

 

そのほかに、祖母が作りためた『木目込み人形』や『博多人形』、祖父が戦時中に求めた『シナ人形』なども一緒に飾っています。

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雛人形を飾り終わると屏風を立て、雛菓子や雛膳を供えてさらに賑やかになるのですが、 その様子はまた次回にお伝えします。

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2010年2月 2日 (火)

王祇祭・黒川能

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2月1日・2日は鶴岡市黒川地区にある『春日神社』の王祇祭です。

春日神社の「神事能」である『黒川能』は500年以上の歴史を持ち、昭和51年に国の重要無形民族文化財にも指定されています。

王祇祭では氏子達が上座と下座にわかれて、それぞれの「当屋」において夜通しで能と狂言の奉納が行われます。

私も今回、下座での奉納を見学させていただきました。


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   観能の前に春日神社にお参りしてから、神社のすぐ向かいにある『王祇会館』を見学しました。

王祇会館では、黒川能で実際に用いられる装束や能面などの展示のほか、祭りや能にかかわる人々の様子を記録した映像も公開されています。
映像には、民俗学の大家・宮本常一氏の監修による40年以上昔のものもあり、当時の様子がとてもよく伝わってきます。

また、黒川能にちなんだグッズや関連書籍などを販売しているショップもあり興味を引きました。

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その後、今回お世話になる下座当屋を務められる清和治四郎氏のお宅に伺ってご挨拶と奉納をおこなって、ご接待を頂戴しました。

こちらでは事前の「豆腐焼き」「豆腐煮」行事でつくられた豆腐とゴボウに「二番」という熱い汁をはっていただくのが恒例です。

ちなみに『一番』はお椀でいただく熱燗です。

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そしていよいよ黒川能が奉納される会場へ。

今年は公民館が会場です。

当屋の自宅で行うよりはかなり広めの会場ですが、午後6時の開演時にはおよそ200名の観客でびっしりとなっていました。

最初は『大地踏み』。

女装した4歳の男児が衣を広げられた王祇様(ご神体)の前で元気に演じました。

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続いて『式三番』。

上野由部太夫の『翁』、清和政俊氏の 『三番叟』を観ると、「今度もまた黒川能に来たなあ」と感じます。

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引き続き、脇能の『高砂』。

去年よりも木守の老人夫婦がぐっと若くなっていました。

その後「中入り」となり、舞台は宴会場に早替わりです。

観客にも豆腐と酒が振舞われていました。

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  再び舞台が整えられると、ここからは夜通しで狂言4番と能4番が演じられます。

演目は・・・

   ・三本柱(狂言)  範頼(能)

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  ・瓜盗人(狂言)   杜若(能)

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 ・茶壷(狂言)     鐘巻(能)

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 ・こんかい(狂言)  嵐山(能)

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中でも圧巻だったのは、上野太夫がシテを務められた『鐘巻』です。

白拍子に身を変えた怨霊が乱拍子を舞いながら鐘の中に入る場面では、満場の観客が皆、意気を飲んで見守っていました。この能を目的にされていた方も多かったようで、深夜3時頃にもかかわらずこのときが一番の混雑振りでした。

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また、個人的には、80年ぶりの上演とも聞く『範頼』が印象的でした。

悲運を予兆するようなシテ(範頼)の憂いと悲愴感が終始伝わってきて、終始、緊張感を持って観ていました。

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今年も、王祇祭・黒川能を堪能させていただきました。

関係者の皆様に心から感謝申し上げます。

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