日本海側の広い範囲に記録的な大雪をもたらした発達した低気圧は、ようやく東の海上に抜けたようです。
ここ数日は、山形県内でも、連日のようにドカ雪が降り、除雪作業に追われる日々でした。電車や飛行機も多くが運休となり、まさに陸の孤島状態でした。
ようやく天気が落ち着き、屋根を見上げてみれば相当な積雪になっており、慌てて雪下ろしを依頼しましたが、すでに予定が詰まっていて、10日ほど先になるようです。連日の大雪のために、雪下ろしも一気に始まったようです。ここ手向の雪下ろしは職人さんたちが、基本的には山手(上)の方から、家の造りや家人の関われる程度などを考慮して順番を決めて作業してくれているので、あとはお任せしておくしかありません。
ただ、低い屋根やひさしなどは雪がたまりやすい上、雪下ろしの際には高い屋根の雪をそこに落とすことになるので、大屋根の雪下ろしの前にある程度落としておく必要があります。これが「プチ・雪下ろし」です。
多聞館の場合は、表玄関の屋根と増築した喫煙室、数カ所のひさしが「プチ・雪下ろし」の対象です。
「プチ」とはいえ、安全のため「かんじき」を履いての作業です。
昨シーズンはほとんど雪がなかったのでほぼ2年ぶりの作業でしたが、すぐにに感覚を取り戻し、雪質も下ろしやすかったこともあり、1時間ほどで作業を終えました。
明日からは気温が緩み、雨も入って雪のかさはぐっと減りそうですが、その分重たい雪になりそうです。
家屋や構築物などに被害が出ないように気をつけたいものです。
2021年、令和3年の年頭に当たり、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
昨夜、NHKの「行く年来る年」の冒頭、まさに比叡山延暦寺の除夜の鐘が撞かれたちょうどそのとき、「羽黒山冬の峰」の満願を迎えた先途松聖とその一行が、法螺の音と「勝った!勝った!」の掛け声とともに下っていきました。
コロナ禍のため、例年とはガラッと変わった松例祭となり、長年この祭りに関わってこられた位上・先途両松聖にとってはさぞ、感慨深いことだったろうと感じました。
新型コロナの感染状況は収まる気配がなく、まだしばらくは世界的な戦いが続くことは確実です。
その中でも、当館としては、社会の公器としての旅館の役割を果たすべく、精進して参る所存です。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
コロナウィルスに右往左往した2020年もあと2日。
例年よりは少なめの積雪でここまできましたが、予報によると、大晦日から元日にかけて数年に一度クラスの寒波が襲来し、日本海側では相当な降雪が見込まれるとか。
移動などの際にはくれぐれもご注意ください。
年末年始、Go To キャンペーンが全国で停止されたこともあり、多聞館でも昼食のツアーや宿泊予約のキャンセルが相次ぎました。
とはいえ、リピーター様を中心に大晦日は満室のご予約をいただくなど、おかげさまでそれなりに忙しく年の瀬を過ごしております。
そのような通常業務に加えて、今日30日は恒例の「餅つき」を行いました。
多聞館では正月飾りの鏡餅に加え、元旦のお客様に雑煮としてお出しする丸餅も自前で用意しています。
例年の半分ほどの量ですが、三度に分けて機械で撞き上げ、丸めました。
合わせて厨房では当地の正月料理の下準備も進められました。
また、玄関や館内の松飾や床の間の掛け軸の交換なども例年通りに行いました。
さらに明日からの降雪に備えて、館内各所に「補助柱」も設置しました。これは、雪の重みで建具が動かなくなるのを防ぐために建物の柱と柱の間に仮の柱を立てるものです。経験的に、雪の重みが影響すると分かっている場所を選んで立てますが、それでも建具がきつくなって開かなくなれば雪下ろしのハザードランプ点灯です。
こんなことをあれこれしている間に、外では予報どおり、暴風雪が吹き荒れ、羽黒の冬らしくなってきました。
今夜の「年取り」ではお客様と同じく、「納豆汁」で温まろうと思います。
爽やかな秋晴れのもと、恒例の羽黒山「松の勧進」がはじまりました。
これは、大晦日から元旦にかけて羽黒山山頂で行われる特殊神事「松例祭」の経費を山伏達が勧進して回る行事であり、「冬の峰」という山伏修行の一環です。
その年に選ばれた松聖(まつひじり)と呼ばれるふたりの山伏と、それに従う小聖(こひじり)と呼ばれる山伏達が今日から年末にかけて庄内一円を勧進して回ります。
勧進をする山伏が吹き鳴らすほら貝の音は、環境省の「残したい”日本の音風景100選”」にも選ばれています。
初日の今日は、松聖は羽黒山の門前町手向(とうげ)の各集落にある末社を参拝して回ります。
今年の松聖は位上(いじょう)が小林庸高さん(山伏名:良栄)、先途(せんど)が芳賀耕作さん(山伏名:月海)です。
同時に、小聖たちが手向内の家々を回り、寄進を受けて御神符を渡していきます。
コロナ禍に見舞われている今年は、松例祭自体、規模が大幅に縮小され、若者達による大松明引き行事などは全て中止となり、一般の見学も制限されることが決まっています。
それでも、永年途絶えることなく引き継がれてきた松聖による国家や人々の安寧の祈りは、しっかりと受け継がれていくことに、感謝したいと思います。
多聞館のすぐ向かいで住宅の解体工事が進んでいます。
今年の春先まで食品や雑貨を扱っていた「秋庭商店」さんの建物です。
ここは近年でこそ扱う商品も少なくなり、店構えも寂れていましたが、往時には日常必要なものは何でも買える便利なお店でした。当館では頻繁に利用するので「通い帳」を置いておいてもらい、支払は月末にまとめて行っていました。子供の頃には毎日のようにお使いに行ったり、アイスクリームを買ったりしていました。王選手のサインボールを当てようと、連日ペプシコーラを買って飲んだのもこの店先でした。
出羽三山への参拝客で門前町が賑わっていた頃には、店先に金剛杖や編み笠も並べられ、参拝客にかき氷を提供したりもしていました。
長年、おばあさんと娘さんふたりで守ってこられたお店でしたが、廃業後しばらくしておばあさんが亡くなり、娘さんは妹さんのところに引越されて、空家になってしまいました。
そして今月に入り、解体工事に向けた作業が始まっていました。
今日は重機がやってきて、母屋の裏手の建物が解体されました。
通りに面した母屋もまもなく解体されることでしょう。
親しくお付き合いしてきたご近所さんがいなくなったのも寂しいことでしたが、思い出がたくさんあるお店の建物がなくなってしまうというのも、何とも言えず寂しいものです。
それだけでなく、少子高齢化、人口減少によるコミュニティの衰退が、この地域でもじわじわと進行していることが大いに危惧されます。
(追記:母屋も翌日には解体されました)
楽天トラベルとじゃらんにおけるGo to トラベルクーポンの利用条件について、つい3日前に変更をお知らせしたばかりでしたが、本日13日(火)午後に再度変更になり、利用制限が解除され、いずれのサイトにおいても、割引上限は14000円、利用回数の制限も無しに戻りました。
国が制度内容を明示して進めている事業で、実施主体が一方的に条件を変更できるのも不思議でしたが、だからといって、簡単に予算の追加配分が決まるというのは公平性という観点からも腑に落ちません。
実施前より混乱続きのGo to トラベルキャンペーン。多少なりとも恩恵を受けている事業者の立場からは言いにくいのですが、本来の「コロナ対策」とは違った方向に向かっている感が強いです。予定通り1月末で事業は終了させ、もっと練られた経済対策、観光振興策が実施されることを願ってます。
岩手テレビの人気番組「夢・見る・ピノキオ」で多聞館を紹介してくださるということで、本日その撮影がありました。
当地の精進料理の取材を、ということでしたので、ちょうど入った舞茸やかのか、あけびやもって菊などを使った精進料理を用意して撮影していただきました。
番組では、戦国の上杉氏の武将、本庄繁長を取り上げると伺っていたので、庄内地方の支配を巡る戦国の武藤、最上、上杉などの関わりをかじってみたのですが、もともと基礎となる知識がなさすぎて、消化できませんでした。当館の取材とは直接関係なかったので、歴史の勉強は早々にあきらめて、藤沢周平の短編小説「残照十五里ヶ原」を読んでお茶を濁しました。
郷土の歴史はこれから少しずつ勉強して行きたいと思いました。
放送は10月25日(日)午後11:25~(再放送は10月30日(金)午後4:20~)とのことです。
岩手県の皆様、ぜひご覧ください!
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