今日12月9日は「大黒様のお歳夜」です。
これは庄内地方特有の風習で、各家庭では大黒様に豆尽くしの料理などをお供えして、一年の無事を感謝するとともに、家内安全や商売繁盛、子孫繁栄などをお祈りする行事です。
お供えする料理には各家庭や地域での違いもあるようですが、本日、多聞館では、ハタハタの田楽、豆腐田楽、豆なます、豆おこわ、納豆汁、大根漬けを用意しました。
ハタハタは鰰、鱩とも書くように神聖な魚、海の荒れるこの時期ならではの魚とされてきたのでしょう。また、「ぶりこ」と呼ばれる魚卵がいっぱい詰まっていて、子孫繁栄を象徴するにはぴったりです。
また、豆腐や味噌、納豆を作る豆は栄養価が高いだけでなく、この地方では、まめ=健康の意味もあることから、家族の健康を祈って豆尽くしの料理をお供えするのだと思います。
お膳のほかに、二股に分かれている大根(マッカ大根)や米のお菓子(米炒り)、枡に入れたお金などもお供えしました。
マッカ大根には子孫繁栄、米炒りには五穀豊穣、お金には商売繁盛の願いがこめられます。
大黒様(大黒天)は庶民に身近な神様だけあって、いろんな願いを引き受けてくれるようです。
明日からは全国的に大荒れの天気になるようです。
皆様どうぞ、まめにお過しください。
今日9月17日は、多聞館の氏神様である「烏崎稲荷神社(からすざきいなりじんじゃ)」の例大祭、秋祭りです。
烏崎稲荷神社は、出羽三山の開祖蜂子皇子に縁の深い由緒ある神社です。
早朝に氏子達が境内を掃除し、若者達がのぼりを立て、4件の当屋の人たちはお宮の内部を掃除します。
午後3時、氏子達がお宮に集まり、瀧本宮司のご奉仕の下、神事が執り行われました。
その後は、座を多聞館に移しての直会(なおらい)です。
直会の献立は、
・煮しめ ・からどりの胡麻和え ・枝豆 ・お吸い物
です。
新嘗の祭りにしては質素かとも感じられますが、これが昔からのしきたりです。
もちろん、たくさんの御神酒もいただきました。
夜には、のぼりを下げるためにお宮に集まった若者達が、よろずの話に花を咲かせながら、お神酒を酌み交わしました。
今日は同じような秋祭りが、手向(とうげ)の各お宮で行われていました。
庄内地方で最高気温が30度を超えるとの予報は明日まで。
お稲荷様の秋祭りが終わると、手向の空気も秋色に覆われます。
昨日(8月31日)の正善院荒澤寺の行者一行に続き、今日は出羽三山神社の行者達が秋の峰入りの修行を終えて、手向(とうげ)の里を下っていきました。
多聞館から送り出した二名の山伏さんも無事にお帰りになり、今夜は私もご相伴に預かりながら、修行の思い出話に花を咲かせました。
今年は大雨や台風にも見舞われず、厳しい暑さだけが大敵の修行だったようです。
満願成就された山伏の皆さん、ご苦労さまでした。
今後是非、羽黒派古修験道の奥義を、身をもって世に広めて行ってただきたいと願っております。
正善院荒澤寺主催の羽黒修験『秋の峰入り』に参加していた山伏たちが31日夕刻、山から里(娑婆)へと下りてきました。
修行の最後に駆け下りる羽黒山の参道は、この世に生を授かるときに通る産道を意味するといい、山伏たちは次々に「おぎゃー!」と産声を上げながら随神門を駆け出てきました。
その後一行は、手向の町を下り、黄金堂の前では産湯(うぶゆ)をあらわすという「場柴燈」を威勢よく飛び越えて、修行の最後を締めくくりました。
最後に一行は黄金堂に上がり、観音様に修行の無事を報告する勤行を行っていました。
今年の峰入りの期間中はずっと厳しい残暑が続いていましたから、さぞ厳しい修行となったことでしょう。
満願成就された山伏の皆さん、ご苦労様でした。
昨日の羽黒山正善院荒澤寺が主催する「羽黒派修験道」に続き、今日は出羽三山神社が主催する「羽黒派古修験道」の「秋の峰」が始まりました。
いずれも『十界修行』を通して『擬死再生』を果たし、『即身成仏』の山伏となることをめざす難行です。
今年は全国からの申込者の中から抽選で選ばれた146名の方が、山伏修行に入られました。
多聞館からもおふたりの修行者を送り出しております。
今年は例年になく、厳しい残暑が続いております。
修行に挑まれている皆さんのご無事と満願成就を羽黒の里よりお祈りしております。
羽黒山荒澤寺正善院が主催する7日間の山伏修行『秋の峰入り』が今日(8月25日)から始まりました。
入峰者たちは『十界修行』を通して『擬死再生』を果たし、『即身成仏』の山伏となることをめざします。
私も、出立に際し、正善院向かいの黄金堂において、梵天をお堂に投げ入れることで笈(おい)に新たな生命を宿すとされる重要な儀式、『梵天作法(奉納)』を見学してきました。
65名ほどの入峰者の発する熱気は、厳しい残暑をもしのぐかのようでした。
予報ではこの地域でもまだまだ厳しい残暑が続きそうですが、入峰された皆様の満願成就をお祈りしております。
羽黒山の門前町手向(とうげ)の町に山伏の吹く法螺貝の音が鳴り渡り、今年も「松の勧進」がはじまりました。
これは羽黒山の百日行「冬の峰」に入っていらっしゃるおふたりの松聖が、大晦日に羽黒山山頂で行われる「松例祭」の浄財を募るために、小聖と呼ばれる山伏を従えて、庄内一円を勧進する行です。
門前町に響く法螺貝の音は、日本の音風景100選にも選ばれています。
成田、勝木の両松聖は手向の各神社を参拝して回ります。
また、小聖たちは手向の家々を回り、浄財を受ける代わりに神札を配っていきます。
寒気が入り込んだため、今朝はぐっと冷え込みました。
松の勧進は今日11月15日の手向をかわきりに、年の暮れまで続きます。
松の勧進が始まると、年の瀬が迫ってきていることを実感します。
今日9月24日、羽黒山の斎戒所「斎館」において、「幣立祭(へいたてさい)」が行われました。
この行事は、羽黒山伏の最高位である「松聖」に選ばれた2名の山伏が、「冬の峰」と呼ばれる100日間の修行に入るにあたっての神事です。
斎館の門前には位上・先途の両松聖の名を記した梵天が高々と掲げられていました。
斎館の広間には、位上・成田雄真、先途・勝木正展の両松聖をはじめ、神社関係者、歴代の松聖、若者頭などが集まって、厳粛な中に神事、そして盃事が行われました。
私も上町当番町の若者頭として参列し、謡の奉仕をして参りました。
お二人の松聖は今日から50日間は自宅で、その後の50日間は斎館に篭って、精進潔斎しながら、ひたすら勤行などの修行を続けられ、大晦日の「松例祭」で満願を迎えられます。
お二人の行のご無事、満願成就を心よりお祈り申し上げます。
出羽三山神社が主催する「羽黒派古修験道」の「秋の峰」に参加されていた160名ほどの山伏たちが、7日間の修行を終えてきのう帰ってきました。
多聞館から送り出したおふた方も無事満願成就されて戻ってこられました。
昨夜はゆっくりとお風呂に入られた後、久しぶりの魚肉とお酒を召し上がっていただきました。
今年の峰入りはお天気にも恵まれて、おふたりとも満足いく修行が出来たと喜んでいらっしゃいました。
手向のあちらこちらの宿坊でも、同じように満願成就を祝う酒宴が遅くまで繰り広げられていたことでしょう。
秋の峰入りが終わると、羽黒の里手向(とうげ)はかけあしで秋色に染まっていきます。
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