皆様、あけましておめでとうございます。
羽黒の里より、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。
大晦日から元旦にかけて行われた羽黒山松例祭(国指定重要無形民俗文化財)は、最低限の積雪と、穏やかな天候に恵まれ、無事終了しました。
私も若者頭の一人として参加させていただきましたが、前年までの反省を生かして向上したこともあれば、来年への反省を残すこともあり・・・。松例祭はこれに関わる多くの人たちによるこのような繰り返しの中で長い年月受け継がれてきた祭りなのだ、ということを改めて感じております。
百日間の行(羽黒山冬の峰)の満願を迎えた位上・先途の両松聖も、補屋(しつらえや)での長い一日の最後に、、百日間祈り続けた「興屋聖」の中の五穀を土間にまく「昇神祭」、さらに精進落しの「鯡のすし」を経て、若者頭らとともに羽黒山の参道を駆け下りるようにしてそれぞれの自宅へと戻られました。
元日は早朝から、羽黒山の門前町手向(とうげ)の各所で、松例祭でいただいた引き綱を折りたたみ、軒に掲げる作業が若者たちによって行われていました。
もちろん、若者たちはその後、反省会・慰労会という酒宴で盛り上がったことでしょう。
そのような松例祭関連の行事は1月4日まで続きます。
松例祭を中心に年が暮れ、年が開ける。昔ながらの手向の光景です。
松例祭に関わられたすべての皆様、ご苦労様でした。
あす大晦日の羽黒山松例祭を前に、今日12月30日は大松明まるきが行われました。
早朝、上町、下町の若者たちが羽黒山の斎館に集まり、位上、先途の両松聖による神事の後、
大松明作りの作業を行いました。
はじめに、斎館内に並べられた綱、網、簾など、大松明の部材を山上に担ぎ上げました。
それらの部材を用いながら、夕方までに、上町、下町それぞれに立派な大松明を作り上げました。
その後、松聖を迎えて、松の礼、榊供養と呼ばれる神事も行われました。
明日の松例祭の舞台となる羽黒山山頂は、程よい雪に覆われ、各所に照明も備えられて、絶好の条件が整いました。
若者たちが詰めている「補屋(しつらえや)」では、お酒やおにぎり(親玉)の振る舞いも行われます。
どうぞ、多くの皆様のお越しをお待ち申し上げております。
松例祭の詳細については→こちら
今日12月25日、羽黒山山内の斎館において、羽黒山松例祭の網漉き行事が行われました。
早朝、上町・下町の若者頭たちが斎館に参集し、松聖による神事の後、網と簾を作る作業を行いました。
この網と簾は、12月30日に羽黒山山頂で作られるツツガムシを模った大松明の重要なパーツとなるものです。
昼食をはさんだ一日がかりの作業で、上町、下町それぞれに伝承の技を駆使して、満足いく網と簾を完成させました。
羽黒山山頂にはまだ、ほとんど積雪がなくちょっと心配ですが、きっと松例祭本番までには不足ない雪が積もるのでしょう。
国の重要無形民俗文化財にも指定されている羽黒山松例祭に、ぜひ、多くの多くの皆様のお越しをお待ちしております。
きょう12月21日は冬至。
なぜか明日だとばかり思い込んでいたのですが、女将が冬至かぼちゃを煮ているのを見て、初めて今日だったのだと気づきました。
冬至は一年で一番日の短い日。そう聞くとなんだかパワーが落ちそうな感じもしますが、逆に考えれば、明日からは日一日と日が長くなっていくということ。今日はその始まりともいえます。
かぼちゃと小豆を甘く煮込んだ「冬至かぼちゃ」は風邪の予防や厄除けに効くということで、昔から冬至に食されてきました。
多聞館では、本日ご宿泊のお客様にも召し上がっていただきました。
今年の冬は(今のところ)暖冬で、多聞館の冬支度も延ばし延ばしになっていましたが、ようやく今日で、雪囲いやら外回りの片づけやらがすべて終わりました。
これからは館内の大掃除や正月の準備、そして何よりも大晦日の松例祭に向けた準備に忙しくなります。
インフルエンザも流行ってきました。冬至かぼちゃを食べて、体調管理に気をつけなければ、とあらためて気を引き締めた冬至でした。
今年4月に、出羽三山の「自然と信仰が息づく『生まれかわりの旅』」が、文化庁の日本遺産に認定されました。
これを契機にして、出羽三山地域の魅力を再認識するとともに、出羽三山地域のさまざまな資源の活用や日本遺産認定を生かした観光振興や地域活性化について考えるシンポジウムが開催されます。
〈日時〉
平成28年11月26日(土) 13時~16時20分(開場12時)
いでは文化記念館 レクチャーホール
(鶴岡市羽黒町手向院主南72/0235-62-4727)
◆オープニングセレモニー 13:00~
岩根沢太々神楽(西川町)
◆基調講演 「日本遺産を活かした地域活性化について」 13:35~
○講師 : 稲葉 信子氏 (日本遺産審査委員会委員長)
◆パネルディスカッション 14:50~
「日本遺産を活用して地域でできること
~出羽三山の魅力を再発見!未来に向けて語ろう~」
○コーディネーター:小林 好雄氏(株式会社出羽庄内地域デザイン代表取締役)
○パネリスト:田中 康成氏(文化庁文化財部記念物課課長補佐)、
春山 進氏(庄内民俗学会代表幹事)、
佐藤 真美氏(山新観光株式会社営業一部部長)、
星野 文紘氏(羽黒山伏・「大聖坊」十三代目)、
土岐 彰氏(出羽三山精進料理プロジェクト代表・「多聞館」館主)、
エバレット ケネディ ブラウン氏(写真家)
○アドバイザー : 稲葉 信子氏
事前申込が必要です。詳細は→こちら
多くの皆様のご来場をお待ちしております。
本日11月15日より、羽黒山松例祭の「松の勧進」が始まりました。
これは羽黒山松例祭をまかなう浄財を勧進して回る行事であるとともに、松聖の百日行「冬の峰」における大切な修行のひとつです。
松の勧進初日の今日は、位上、先途の両松聖は小聖らを従えて、羽黒山門前の手向(とうげ)にある末社に祈願して回りました。
今年の松聖は位上が勝木さん、先途が山本さん。「冬の峰」の百日行のうち、前半50日間の自宅参篭を経て、おとといより羽黒山中の斎館で後半50日間の参篭に入っていらっしゃいます。
私は烏崎稲荷神社で、神社役員の方々などとともにお聖様一行をお迎えし、祈願の後、しばし歓談いたしました。
両松聖はすでに立派なひげを蓄えられ、これからの後半の修行に向け、ますます気力充実の印象を受けました。
同じ時間帯には、他の山伏たちが、手向の家々を回って浄財を勧進し、代わりにお札を配っていきました。
今日は一日中、手向のあちらこちらから山伏の吹くほら貝の音が響き渡っております。
松の勧進が始まると、手向の冬はすぐそこまで迫っています。
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