多聞館ではこのたび、車を買い替えることになりました。
主に女将が使っている車ですが、お客様の送迎や仕出しなどにも対応できるバンタイプ(ライトバン)です。
これまでのものは日産AD。
両サイドに多聞館の名が入っていて、看板代わりになっています。
もうすぐ20年目にもなるとはいえ、走行距離は9万キロにも満たず調子も良く、廃車するのは
ちょっともったいないのですが、エコカー補助金やエコカー減税の後押しもあり、今回の買い替えとなりました。
そして先日納車されたのは日産のADエキスパート。
これまでの車とほぼ同じタイプですが、マニュアルからオートマに変わりました。
これまでの車と同様に、長年にわたって安全に使うことができ、多くの方々との楽しい思い出を重ねていけるように願っています。
今日4月3日は桃の旧節句。
ここ手向(とうげ)をはじめ、庄内地方ではひな祭りを旧節句に祝う家庭が多いようです。
菓子店やスーパーにも、3月に続いて今月も、練り切りなどのお雛菓子が並べられていました。
多聞館の雛人形は2月の末から飾ってあるので、宵節句の昨日には、鯛の塩焼きや吸い物をなどをお供えして、今年2度目のひな祭りをお祝いしました。
出番は長くなっていますが、2度の節句をお祝いし、多くのお客様にもご覧いただいて、雛人形達も喜んでいることと思います。
(名残惜しいですが、明後日には仕舞う予定です。)
今日付けの朝日新聞に、「新高速料金、上限制に」という記事がありました。
6月から高速道路を通行する車両を4種に分け、それぞれに通行料金の上限額を設けるということです。
たとえば普通車なら、休日・平日や通行時間帯に関わらず2千円が上限になるようです。
いっきに完全無料化とはなりませんでしたが、観光業に携わる者にとっては朗報です。
利用者負担の原則に反するとか、温暖化防止に逆行するとかの批判も聞こえてきそうですが、高速路の恩恵を享受するのは直接の通行者だけではないですし、曜日や時間帯を問わない料金システムは、渋滞緩和にも繋がるのではないでしょうか(その意味では従来のETC割引は矛盾だらけだったと思います)。
また、大型連休を春秋に創出すると共に、地域ごとに分散化する「休暇分散化制度」も、今年度から各地で実証実験が行われることになり、現実味を帯びてきました。
こちらも実現すれば観光業にとっては混雑の緩和と繁忙期の延長が望まれ順風となるでしょうが、実施に伴う混乱も大きそうです。
ただ、観光というのは、経済的な意味合いだけでなく、ひとの生き方にも大きく関わりうることですので、そのハードルは低いにこしたことはありません。
今後の政府の施策の展開に期待しています。
藤沢周平原作、中西健二監督の映画『花のあと』がいよいよあさって3月13日(土)に全国公開されます。
公式サイトはこちら⇒http://www.hananoato.com/
主演は北川景子さん。
地元自治体や観光協会なども製作を支援して、桜満開の鶴岡公園をはじめ、庄内各地でのロケを経て作られた映画です。
藤沢周平さんの原作は文春文庫の『花のあと』に所収の同名短編です。
ストーリーは・・・老女以登(いと)が孫達を相手に語る若き頃の恋物語(?)。
~以登は美貌ではなかったものの、幼い頃から父に仕込まれた剣の腕は相当なもの。
その以登が城での花見に出かけた折、藩内屈指の剣豪孫四郎に声をかけられ、手合わせを申し込まれる。
後日、父の立会いの元に立会い、負けはしたものの若き以登の心は浮き立つ。

しかし以登には婿が決まっており、孫四郎にも縁談が進んでいた。
生涯一度だけの、しかし実ることはない恋とあきらめるほかないのだった。
まもなく以登は、孫四郎の縁組相手が醜聞の絶えない加世であり、しかも加世と妻子ある藤井との道ならぬ関係は今も続いていることを知る。
孫四郎にその事実を知らせるべきか迷い、しかし遠くから見守るしかないと心沈む以登。
ところが、孫四郎が藤井に陥れられて自刃することに。
許婚であった才助の助力を得て子細を確かめた以登はひとり、
ざっとこんなあらすじです。
去年の4月、鶴岡公園の桜を見に出かけたとき、ちょうどこの映画のロケをしていました。
先行上映中の映画を観てきましたが、鶴岡の満開の桜と、四季の移ろいと共に容姿を変える月山が印象的に描かれていました。
主演の北川景子さんは、映画の公開を前に最近テレビなどでよく見かけますが、映画の中での表情はだいぶ印象が違っていたようです。
藤沢作品に特徴的なひとの世の不条理と武士の義、かなえられない愛のせつなさと現実のささやかな幸せ・・・
北川さんだけでなく全ての役者さん達がひかえた演技でたっぷりと演じていました。
原作の魅力を損なわずに2時間程度の映画に仕上げるには、こんなしっかりとした短編がふさわしいのかなあと改めて感じました。
全国公開中には、桜が満開になる地域もあることでしょう。
庄内の美しい風景と共に、多くの皆様にご覧頂きたい映画です。
これは押し絵雛と共に酒田の女将の実家から譲り受けたものです。
もともとは錦絵を張り合わせたものを竹棒に挿して幕のようにして飾っていたそうですが、使い勝手と保存を考えて一対の屏風に仕立てました。
ほとんどは明治時代の印刷物のようで、歌舞伎を題材にしたものが多いのですが、お雛様風の図柄もあります。
特に赤色が鮮やかで、雛飾りもいっそう賑やかになります。
また、雛飾りの向かいには六曲一双の十二ヶ月花鳥図屏風も飾っています。
こちらは多聞館で長らく所蔵している間に傷みが激しくなっていたものを、去年表装をしなおしたものです。
酒井抱一の銘は入っていますが、真贋のほどは???です。
おひな様は明るく賑やかに・・・。
春を迎える喜びと共に心浮き立つ弥生三月です。
庄内各地では雛人形の公開展示やひな祭りにまつわるイベントなどが予定されています。
多聞館でも、本日2月27日《土》から4月 4日《日》までの期間、所蔵の雛人形を展示しております。
ご宿泊プランは⇒こちら
多聞館の所蔵の雛人形は3種類あります。
ひとつは明治時代に作られた『押し絵雛』。
型紙生地を貼り付けて作った人形を台に挿し立たものです。
多聞館の女将の祖母とその妹が酒田で作ったもので、3年ほど前に女将の実家から受け継ぎました。
お雛様以外にも、三番叟や歌舞伎のキャラクター、舞妓姿の人形などもあり賑やかです。
私の祖父が求めたものです。
残念ながら、多くが毀損してしまい、写真の2体と右大臣・左大臣しか残っていません。
私の父が姉の誕生を機に求めたものです。
そのほかに、祖母が作りためた『木目込み人形』や『博多人形』、祖父が戦時中に求めた『シナ人形』なども一緒に飾っています。
雛人形を飾り終わると屏風を立て、雛菓子や雛膳を供えてさらに賑やかになるのですが、 その様子はまた次回にお伝えします。
2月1日・2日は鶴岡市黒川地区にある『春日神社』の王祇祭です。
春日神社の「神事能」である『黒川能』は500年以上の歴史を持ち、昭和51年に国の重要無形民族文化財にも指定されています。
王祇祭では氏子達が上座と下座にわかれて、それぞれの「当屋」において夜通しで能と狂言の奉納が行われます。
私も今回、下座での奉納を見学させていただきました。
観能の前に春日神社にお参りしてから、神社のすぐ向かいにある『王祇会館』を見学しました。
王祇会館では、黒川能で実際に用いられる装束や能面などの展示のほか、祭りや能にかかわる人々の様子を記録した映像も公開されています。
映像には、民俗学の大家・宮本常一氏の監修による40年以上昔のものもあり、当時の様子がとてもよく伝わってきます。
また、黒川能にちなんだグッズや関連書籍などを販売しているショップもあり興味を引きました。
その後、今回お世話になる下座当屋を務められる清和治四郎氏のお宅に伺ってご挨拶と奉納をおこなって、ご接待を頂戴しました。
こちらでは事前の「豆腐焼き」「豆腐煮」行事でつくられた豆腐とゴボウに「二番」という熱い汁をはっていただくのが恒例です。
ちなみに『一番』はお椀でいただく熱燗です。
そしていよいよ黒川能が奉納される会場へ。
今年は公民館が会場です。
当屋の自宅で行うよりはかなり広めの会場ですが、午後6時の開演時にはおよそ200名の観客でびっしりとなっていました。
最初は『大地踏み』。
女装した4歳の男児が衣を広げられた王祇様(ご神体)の前で元気に演じました。
続いて『式三番』。
上野由部太夫の『翁』、清和政俊氏の 『三番叟』を観ると、「今度もまた黒川能に来たなあ」と感じます。
引き続き、脇能の『高砂』。
去年よりも木守の老人夫婦がぐっと若くなっていました。
その後「中入り」となり、舞台は宴会場に早替わりです。
観客にも豆腐と酒が振舞われていました。
再び舞台が整えられると、ここからは夜通しで狂言4番と能4番が演じられます。
演目は・・・
・三本柱(狂言) 範頼(能)
・瓜盗人(狂言) 杜若(能)
・茶壷(狂言) 鐘巻(能)
・こんかい(狂言) 嵐山(能)
中でも圧巻だったのは、上野太夫がシテを務められた『鐘巻』です。
白拍子に身を変えた怨霊が乱拍子を舞いながら鐘の中に入る場面では、満場の観客が皆、意気を飲んで見守っていました。この能を目的にされていた方も多かったようで、深夜3時頃にもかかわらずこのときが一番の混雑振りでした。
また、個人的には、80年ぶりの上演とも聞く『範頼』が印象的でした。
悲運を予兆するようなシテ(範頼)の憂いと悲愴感が終始伝わってきて、終始、緊張感を持って観ていました。
今年も、王祇祭・黒川能を堪能させていただきました。
関係者の皆様に心から感謝申し上げます。
最近のコメント