出羽三山 Feed

2011年8月 3日 (水)

慰霊の山 出羽三山

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夏休みシーズンに入り、おかげさまで多聞館も連日、出羽三山参拝、月山登山のお客様で賑わっております。

そんな中、先週には、3月の東日本大震災で大きな被害を受けた地域から二組のグループのお客様がお越しになりました。

この方達は出羽三山参拝のための組織である「講(こう)」を代表してお越しになった方達です。

長年にわたって多聞館を定宿として出羽三山詣でをされてこられた方々ですが、今年は大震災の影響で講員みんなで参拝に来ることが叶わないため、代参を託された方たちがお越しになったものです。

講員の中には被災した方も多い中、出羽三山の神々への篤い信仰を守られている姿には心を打たれます。

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羽黒山、月山、湯殿山それぞれのお山ではご祈祷を受けることが出来るのはもちろんですが、それぞれに先祖・故人の供養を行う場所もあります。

羽黒山山頂の霊祭殿もそのひとつですが、東日本大震災の犠牲者を供養する大きな慰霊塔のまわりには数多くの塔婆が立てられていました。

月山山頂、弥陀ヶ原、湯殿山の各慰霊所(供養場)でも、日々多くの塔婆が立てられています。

出羽三山は、神々へ祈る場所であるとともに、山に集う先祖・故人の霊と向き合い、供養・慰霊する場所でもあるのです。

出羽三山の地で捧げられる人々の深く静かな祈りが、きっと被災地、そして日本全体の復興の光明となると信じております。

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2011年7月16日 (土)

羽黒山 花祭り

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7月15日(金)、出羽三山神社の「花祭り」が羽黒山山頂で行われました。

花祭りは、五穀豊穣を祈願する出羽三山神社の例大祭です。

私も若者頭として奉仕して参りました。

山頂の各所では午前中、黒川能をはじめ様々な芸能が奉納されていました。

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祭りに奉仕する地元手向(とうげ)の若者達は補屋(しつらや)でお神酒、刺し串などで気合を入れた後、合祭殿前でお祓いを受け、花梵天(献燈)を引き出す準備に当たりました。

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ちょうど準備が終わった頃、月山・羽黒山・湯殿山のそれぞれの神様をのせた3基の神輿が引き出され、若者が引く花梵天を先導に、境内をゆっくりと巡回します。

その際、見物のお客さんたちに向けて傾けられた梵天から稲の花や稲穂を模った造花を奪い合うのがこの祭りの見所です。

今年も、境内を埋めた大勢のお客さんたちが、我先に造花を手に入れようと激しくもみ合っていました。

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花祭りが終わり、出羽三山は一年でもっとも賑やかな時期を迎えています。

特に今年は卯年で月山のご縁年です。

ご縁年に登拝すれば格別のご利益があるとされています。

どうぞ皆様、出羽三山参拝にお越しください。

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2011年7月14日 (木)

羽黒山花祭り~子供みこし

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明日、羽黒山山頂で行われる出羽三山神社の例大祭「花祭り」を前に、今日は門前町手向(とうげ)の小中学生による子供みこしのパレードが行われました。

随神門前でお祓いを受けた後、各町9台の神輿が、注連縄が張られた手向の町を巡行しました。

(10ある町のうち、多聞館のある下長屋町だけは子供がいないため、去年から参加していません・・・)

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明日は羽黒山山頂において、9時より随時、黒川能をはじめとする芸能の奉納や、神事、神輿の巡行などが賑やかに行われます。

その様子はまた、後日に。

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2011年5月 7日 (土)

(続)春山代参、坂迎え

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山頂から下り、鍛冶小屋跡で拝し、ちょうどお昼には牛首に至りました。

その頃には風も弱まり、時折青空ものぞく天気になり、同行者皆で弁当を広げての昼食となりました。

付近には、スキーヤーの方たちの姿も見受けられました。

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その後は最終目的地の湯殿山に向けての下りです。

山先達さんが判断したルートで山、谷を下っていきました。

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途中では今にも崩れそうな雪庇があったり、雪崩の痕が見受けられたり・・・

ハラハラドキドキしながらの谷下りになりました。

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慎重に最後の澤を渡り、開山準備に忙しそうな湯殿山に着いたのが午後2時。

ちょうど10時間の行程でした。

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 湯殿山本宮で登拝者全員でご祈祷し、参籠所にて御神酒をいただいて、出羽三山神社が用意してくださったバスで一路羽黒山へ。

羽黒山山頂では行者全員で記念撮影を行い、本日の参籠所である羽黒山斎館に到着しました。

翌朝、斎館でおにぎりを頂いた後、6時半には参籠者全員が三神合祭殿前に集まり、神官によるご祈祷を受けました。

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その後、行人一行は羽黒山の参道を下り、社務所で宮司さんの出迎えを受けたのち、氏子達が待つ各集落へと帰っていきました。

昔は、各集落で月山を望める高台(坂迎え場)で行われたのが「坂迎え」でしたが、今でもその伝統が続いているのは、ごくわずかな集落のようです。

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私の集落では、氏子さんたちと共に烏崎稲荷神社に集い、春山行の報告とご祈祷を行い、その後は「直会」となりました。

氏子皆が、無事に神を迎えたことを率直に喜んでいたようでした。

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各地で遅れ気味だった農作業も、ようやく本格的に始まってきたようです。

出羽三山の神々に見守られながら、豊かな収穫に恵まれますように祈念しております。

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2011年5月 6日 (金)

春山代参、坂迎え

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5月4日未明から、手向地区の恒例の行事「春山代参」に参加し、月山~湯殿山、そして羽黒山を参拝してきました。

「御行様」と呼ばれる各集落を代表する行人達10名ほどに、地元の山岳救助隊の隊員達10名ほども訓練として同行しました。

例年よりも残雪が多く、除雪作業が遅れているため、登山道の3合目から上り始めることになりました。

天候は穏やかで上々の出だしでした。

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雪が多いため、登山道に関係なく、雪の上をまっすぐに上っていくので、時間はかかりませんが、足には結構応えました。

途中、5合目あたりでご来光を拝み、6合目の避難小屋では小休止。

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そこからは急坂が続き、いっぱいいっぱいの状態で7:00に8合目の参籠所に到着。

ここでは昨日から神社職員の方々が出迎えの準備をしていてくださいました。

中の宮を参拝後、御神酒と温かいお汁をいただきながらの朝食で、体力も回復して出発しました。

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その後も雪の急坂を、弥陀ヶ原、一の岳、仏生池、大峰・・・と上り続けました。

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9合目を過ぎた辺りから雲行きが怪しくなり、風が強まってきました。

顔には冷たいあられが吹き付けてきました。

視界も悪く、ときには立ち止まることもありましたが、11時過ぎには頂上に到着できました。

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屋根だけが出ている月山本宮に灯明と酒を供え、行人一同でご祈祷しました。

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 (つづく)

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2011年5月 3日 (火)

精進潔斎~春山代参

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手向(とうげ)地区に古くから伝わる行事に「春山代参」というものがあります。

これは手向の各集落の代表者がまだ雪の多く残る早春の月山に上り、山の神を里に迎えるという行事です。

集落を代表して登拝する人たちは「御行様(おんぎょうさま)」とよばれ、山行きの数日前からは身を清め、穢れを慎み、肉魚を口にしないなど、精進潔斎してのぞみます。

また、その間朝夕には出羽三山の神々に見立てた御幣や掛け軸に向かって祈願します。

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今年は、私も春山代参者の一行に加わることになっています。

明日の登拝をまえに、今日は代参者全員(21名)が早朝の三神合祭殿に集まり、祈願をした後、団長や山先達などの役員を選出し、明日の登拝についての打ち合わせを行いました。

今年は例年よりも残雪が多く、厳しい春山行になりそうですが、代参者全員が無事に務めを果たしてくるように気をつけて行って参ります。

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2011年4月29日 (金)

羽黒山参道掃除~祓川普請

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今日は冷たい雨が降る中、ここ手向(とうげ)の氏子が総出で羽黒山参道の掃除と道路・水路などの改修をする「祓川普請」が行われました。

早朝から氏子達は羽黒山に向かい、10に分けられたそれぞれの受け持ち区域を掃除しました。

途中の五重塔周辺にはまだ残雪がありましたが、思っていたよりは少なかったです。

私の地区(下長屋町)の受け持つ二の坂上から三の坂下には全くありませんでした。

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杉や雑木の落ち葉、枯れ枝を熊手や竹ホウキなどで掃除すること約2時間。

参道は見違えるようにきれいになりました。

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帰る頃には雨も上がり、石段は洗われたように光っていました。

二の坂の茶屋も営業が始まっていました。

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一の坂の上の桜は今が見頃です。

きれいになった羽黒山にぜひお参りにいらっしゃいませんか?

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2011年1月31日 (月)

NHK「聖地とは何か」今夜放送。

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今夜22時25分から、NHK教育で新番組「極める!千住明の聖地学」が始まります。

作曲家の千住明さんが日本各地の聖地を訪ね、そこに秘められた歴史や文化を極めるという全4回のシリーズです。

初回の今夜は、『聖地とは何か』と題し、千住さんが京都大学こころの未来研究センター教授で、宗教学が専門の鎌田東二さんとともに、ここ出羽三山を訪れるそうです。

鎌田さんによれば、出羽三山(月山・羽黒山・湯殿山)は「聖地の条件をすべて備える、代表的な場所」なのだそうです。

聖地とか秘所とか霊地とか、あるいはパワースポットとか・・・。

そんな言葉が軽々にもてはやされる昨今ですが、番組の中で「聖地」がどのように定義され、出羽三山がどのように捉えられるのか、楽しみです。

みなさんもぜひ、ご覧ください。

番組HPは⇒こちら

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2011年1月 1日 (土)

羽黒山松例祭 

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皆様、明けましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

大晦日から元旦にかけて羽黒山山頂で行われた松例祭は、全国各地で強い寒波の影響が出ていたにもかかわらず、奇跡的に穏やかな天気に恵まれました。

 

 

 

 

 

前日に造った「大松明=ツツガムシ」を切り刻んで作った「切り綱」をまく神事にも大勢のお客さんが集まりました。

最後には恒例の相撲で決着をつける場面も見られました。

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「補屋(しづらや)」ではホウキの実のおにぎり(親玉)などが振る舞われました。

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若者頭たちの「見せ場」でもある「綱さばき」、今年もかなり飲みました・・・。

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砂はき行事、験縄行事・・・(写真がブレまくりですみません)、

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クライマックスの「大松明引き」(終了後)、

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メイクアップした松打さん、

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国分け神事、火の打替え神事、

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昇神祭、にしの寿司、

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位上、先途のおふたりの松聖さんは百日間の勤行(「冬の峰」)を終えられ、若者頭たちを伴って50日ぶりに我が家へと戻られました。

元旦には手向のあちらこちらで、「引き綱」を家の軒下に飾っている若者達の姿が見られました。

手向ではこれからしばらく、松例祭に関わる祝宴や会合が続きます。

松例祭の余韻を残しながら、手向の新年はゆっくりと明けていきます。

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2010年12月30日 (木)

羽黒山松例祭・大松明まるき

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本日は、大晦日に羽黒山山頂で行われる「松例祭(しょうれいさい)」で焼き払われる「大松明(おおたいまつ)」を作る行事「大松明まるき」が行われました。

この大松明は害虫のツツガムシを模したもので、悪鬼、邪悪の象徴といわれます。

早朝、羽黒山の斎館に40人ほどの若者達が集合。

神事のあと、上と下に分かれて大松明の部材となる綱、網、簾などを山頂まで担ぎ上げました。

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重いものでは80キロもあります。

積雪で足元も悪い山道を次々に担ぎ上げていく様子には、手向の若者達の心意気を感じます。 

全ての部材を担ぎ上げたあと、午前中は若者衆と頭集に分かれて、それぞれの作業に当たりました。

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昼食後は全員が庭上(ていじょう)とよばれる三神合祭殿前の広場で大松明の組立作業に当たりました。

上町と下町とが仕事の早さと出来栄えを競い合いつつ、それぞれに立派な大松明が完成しました。 

 

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大松明が完成すると、松聖、小聖、松打の出座を待って、「松の礼」「榊供養」とよばれる行事が行われました。

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今日造られた大松明は、明日の午後に切り刻まれ、その一部は「切り綱」としてまかれて一般のお客さんが奪い合います(「綱まき神事」午後3時~)。

夜にはツツガムシの蘇りを象徴する小さめの大松明が造り直され(「まるき直し」午後6時頃)、その後全ての若者達によって引き出され、燃やし上げられます(「大松明引き」午後11時頃)。

その際に大松明のどの位置に引き綱をつけるかを、若者頭たちが酒を酌み交わしながら交渉する「綱さばき」(午後7時頃~)も見ものです。

松例祭全体についてのご案内は⇒「松例祭見学案内」をご参照ください。

多くの皆様のお出でをお待ちしております。

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